こんな場合はどう?労災保険の適用範囲とその誤解

労災保険は、理屈や仕組みを理解すればそれ程複雑で難しい制度ではないのですが、やはりこのような場合は労災保険の適用範囲となるのかわからないと迷ってしまうケースや、適用されると誤解してしまっているケース等見受けられます。

そこで、誤解されやすい代表的なケースをご紹介したいと思います。

まず一つ目ですが「業務時間中であれば、怪我をしたら必ず労災保険の適用になる」ということです。実は、この解釈は正確だとは言えません。つまり業務時間中であっても労災保険の適用にならない場合はあります。正確に言えば「業務時間中」ではなく「業務を行っていて」と解釈すべきと言えます。

例えばわかりやすい例で言えば、仮に業務時間中であっても、職場を離れてタバコを吸いに外に出てそのタバコでうっかり手に火傷をしてしまったといった場合、このケースではその喫煙行為は業務に該当するとは言えませんので労災保険の対象とはならないのです。

次に「通勤時間中に怪我をしたら必ず労災保険の適用になる」という捉え方です。これも一つ目同様正確だとは言えません。通勤時に怪我をしたら基本的に労災保険の対象にはなります。 しかし、通勤している時間に例えば勤務先までの通勤ルートを著しく離れる、つまり寄り道をした際に怪我をしたとなれば労災保険の対象外となるのです。 従って、ここでも「通勤時間中」という部分を「通勤している途上」でと解釈しておけば、こうした誤解をしなくて済むと言えます。

以上が特に誤解されやすいケースですが、これまで述べたように文言を修正して理解しておけば誤解は防げますので、これを機会に適切な文言で労災保険を理解するようにして下さい。