石綿と労災保険

労災保険には、遺族給付金と言う給付があります。 労災保険の加入者が労災によって死亡したとき、加入者の配偶者や子供などに給付されるものです。 病気や怪我で給付されるものですが、中には特殊なケースもあります。 それは「石綿」が原因の場合です。

石綿と言ってピンと来ない方は、「アスベスト」と言えばピンと来るでしょうか。 建設業などで特に、アスベストに関する作業に従事している人は多く、近年その健康被害が問題となっております。 この石綿に関する特別遺族給付金には、適用となるまでいくつかの条件があります。

まず、時効を迎えてしまった方です。ちなみに時効は、死亡した翌日から5年間であり、まずはこの期間を経過していることが条件です。 ちなみに時効前であれば、労災保険による通常の遺族補償給付を受けることができます。

また、死亡にいたった病気などもある程度指定されます。 どんな病気でもいいというわけではなく、指定疾病に罹患していなければなりません。 その指定疾患と言うのは、中皮腫や気管支のがんもしくは肺がん、石綿肺にびまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水のことをいいます。 そして、いつ亡くなってもいいというわけではありません。 昭和22年9月1日以降に指定疾病に罹患して、平成28年3月26日までになくなった人が対象となります。

ちなみにこの支給額ですが、遺族が何人いるかによって変わって来ます。 一人の場合には年間240万円、2人の場合には年間270万円となり、4人以上ですと年間330万円となります。