建設業における労災保険リスク
労災保険の中で、特に申請の多い業種と言えば建設業でしょう。
ご存知のとおり、建設現場というのは危険がいっぱいです。
建設資材は鉄製で重く硬いので、それにあたったり落ちてきたら大怪我をしてしまいます。
また、建設現場は高いところでの作業も伴います。
転落したら重篤な被害を生み出しかねません。
そのためにも、労災保険は大切な補償となりますが、建設現場ならではの特色が、労災保険を使いにくくしているのも事実です。
建設現場というのは、実は色々な会社の人が出入りしているものです。
元請の建設会社が存在して、その下に下請け企業があったりします。
実際に建設現場で作業をする、あるいは危険な場所での作業をするのは下請け企業がほとんどなのにも関わらず、使われる労災保険は元請け企業の労災保険というのも珍しくありません。
万が一下請け企業の人が労災事故にあってしまった場合、真っ当な元請け企業であるならば自社の労災保険の適用をさせるところでしょう。
しかし中には、手続きが面倒だと言う理由などで労災を申請しない、いわゆる「労災隠し」がまかり通っています。
建設現場には、下請け企業以外にも一人親方や正規の作業員でない人が多く出入りしています。
そういった人たちは、下請け企業とは異なり、元請け企業の労災保険の適用にすらなりません。
そういったリスクを回避するためにも、個人で労災保険に特別加入しておくことをおすすめします。
中には、労災保険に特別加入していないと雇用しないところもあるのですから。