建設業と労災
私は、長年建設業に作業員として関わってきたものです。
今回は労災保険と建設業についてお話したいと思います。
毎年建設業に携わる何名もの方が大小を問わず、怪我をしたり、または不幸な事故で死亡災害の被害者になっています。
その中で死亡災害は別ですが、建設業には「労災隠し」と言った言葉があります。
これは、現場で作業員が怪我をしたのにも関わらず、労災を使わずに秘密裏にすることなんですが、
その目的はなんなのか?
一つめに建設業という特殊な業界には、「怪我と弁当は自分持ち」という言葉が昔からあります。
これは、怪我しても自分が損するだけだから注意するように。
と言ったメッセージが込められています。
しかし、近年は怪我をする作業員がいる会社は、現場で使ってもらえないので、例え骨折するような大きな怪我であっても、誰にもバレていなければ他の作業員がこっそり連れて帰って、労災隠しをすることがあります。
ここでポイントなんですが、労災は被災者の方が病院への通院や、怪我で仕事ができない期間の生活に充てるべきお金です。
しかし労災隠しをした場合、病院代もでなければ、怪我で仕事いでれない間のお金などは一切でません。
当然といえば当然なのですが、自分の身を守るための労災が会社の身を守る為に必要なときに使われないことがあるということです。
世界的に見ても有数の先進国日本。
スカイツリーの建設など、近代的なビルを建ててきた日本の建築現場で未だにこのようなことがあるのが事実です。
大きな現場は目につきやすいですが、小さな現場までしっかり見届けるようなシステムが、今日本には必要だと思います。